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B型肝炎の特徴 

 B型肝炎ウイルスは図のように、母から子へと綿々と伝えられてきました。免疫力が未発達な赤ちゃんの時にウイルスをもらうと、ウイルスを排除することができず、体の一部のように居着いてしまいます。これが保菌者です。そして女性の保菌者は次の世代にウイルスを伝えてゆきます。大人になって感染すると免疫力がきちんと働くので、急性肝炎となりウイルスを排除して治ります。C型肝炎同様血液を介して感染しますが、血液、体液中のウイルス量が断然多いので、性交渉、針刺し事故でもC型と比べてうつる確率が高いのが特徴です。B型肝炎ウイルスを持っている母親から生まれた赤ちゃ

んも、今では出生時の抗体注射やワクチン接種の組み合わせで、B型の保菌者にならずにすむようになりました。夫婦の片方がB型の保菌者であっても、感染していない方にワクチンを接種しておくことで、感染を予防できます。感染の有無はHBs抗原検査などで簡単に調べることができます。気になる方は相談してください。
 B型肝炎ウイルスは、C型肝炎と違って今のところ完全に消し去る薬は有りません。抗ウイルス剤としてインターフェロンが10年以上前から使われていますが、部分的な効果しか期待できません。しかし、B型肝炎ウイルスでも比較的肝毒性の低い
変異株に変えることは可能です。そして、その形を変えたウイルスが主体になった状態をセロコンバージョンと呼び、HBe抗体が陽性になります。セロコンバージョンは自然の状態でも年率数パーセント程度起こります。ウイルスがこの変異株主体となると、GPT(ALT)が低下したり、正常値に戻る人が多く、肝臓の炎症が落ち着いてきます。しかし、ウイルス自体はまだ残っていますので、B型肝炎が治ったわけではありません。再度肝炎がぶり返したり、肝癌が発生しうるので、引き続き定期的な検査が必要です。


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