すこやか生活

おでき

"おでき"ができた。よく聞く言葉ですが、皮膚にできものができたことを、"おでき"というわけではありません。"おでき"は毛穴のところにばい菌が入り化膿した病変の俗称です。代表的な"おでき"は、軽いものから毛包炎、せつ、ようがあります。


正常毛包の構造

A:毛包炎
 毛包入り口付近の炎症で、表皮ブドウ球菌という比較的おとなしい細菌が感染した結果です。黄色ブドウ球菌など、毒性の強い菌が取り憑くと炎症が強く"根をもった"感じになります。
 脇の下や股間など、汗をかきやすい場所や、こすれるところ、ステロイド軟膏を塗っ

たところ、毛を抜いた場所などができやすい部位です。

B:せつ
 毛包を中心にできる、痛みがあって赤く腫れたおできです。黄色ブドウ球菌が原因菌です。
 毛包の入り口から底、そして周囲まで炎症が及ぶため、真っ赤に腫れてきます。やがて毛の生えているところに黄色い膿を持ち、柔らかくぶよぶよしてくると破れ、膿が出始めます。最後は"芯"が出て治ります。顔などに大きなせつができると熱が出ることもあります。

 治療は抗生物質ですが、ぶよぶよした大きいものは、切開し膿を出す場合もあります。

C:よう
 せつより深い部分から化膿が始まるので、比較的境界がはっきりした半球状の赤い膨隆を形成します。一つだけでなく、複数の毛包を巻き込んでいます。病原菌は、同じく黄色ブドウ球菌です。
 うなじや、肩、大腿、臀部など、皮膚に張りがある場所によくできます。育ってしまうと卵大や手のひら大にもなります。大きな化膿巣である


ため、いくつかの毛穴から同時多発的に膿が出て、治っていきます。大きな"おでき"なので熱が出たり痛みが強く、治るまで2週間〜1ヶ月ほどかかります。 
 治療は抗生物質の点滴や飲み薬です。袋状に化膿したものは切開して膿を出すと早く治ります。


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