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イッと力を入れたとたん、グキッと筋肉に傷が入った。これが50肩です。20代でも同様なことは起こります。野球のピッチャーが肩を壊して半年棒に振るといった話を聞いたことがあるでしょう。これが同様の肩関節周囲炎です。この話には病気の真実が隠れています。それは、"半年棒に振った"というくだりで、50肩はそう簡単に治らないということです。

ピッチャーは棒に振っている間どうしていたでしょうか?痛みや腫れが取れるまでひたすら局所を安静にして、湿布などを貼り、ある程度治まってから徐々に軽い運動をリハビリとして始めます。そして痛みがなければ運動強度を増していきます。50肩も基本は同じで、痛みが辛いときは消炎鎮痛剤で押さえ、リハビリができるまで安静を保ちます。






肩こりと肩甲骨

 「肩こり」という言葉は、こった経験のある方なら誰でもその症状をイメージできる、わかりやすい言い回しです。経験のない方はわかりにくいかと思いますので定義しますと、肩甲骨周辺の筋肉のこわばりと疲労感が混じった一種の不快感です。揉んでもらうと楽になるという特徴もあります。肩こりのない人の肩を揉むと痛みしか感じないのに不思議ですね。原因は何にせよ、こっている筋肉には疲労物質が貯まっています。揉むことでその物質が筋肉から押し出され洗い流されるので気持ちよくなるわけです。
誘因)キーボードを一日中打ち続けたり、冷房の強い職場で細かい作業をするとこりを感じます。特に筋肉の弱い女性は、3−4kgもある男性と同じ重さの頭を支えるため、首から背中の筋肉はくたびれ果てます。特に前傾姿勢ですと肩甲骨の背中側にある僧帽筋などに大きな負担がかかるのでこってきます。加えて、精神的な緊張も必要以上に筋肉の収縮を促すため、ストレスも引き金です。貧血や低血圧があり肩の筋肉の血

行不良をおこしやすい人も肩こりになりやすい方です。図に肩甲骨、僧帽筋の関係を示しました。僧帽筋のの部位がこりの中心で、痛みやこわばりを感じる点です。このポイントを押してみて気持ちよいと感じれば肩こりといえるでしょう。
肩こりを合併する病気) 主なものを列記しておきます。肩がこるときは、もしかするとこれらを併発しているかもしれません。
頸椎疾患(首の骨のとげや、間隔の狭まり、ヘルニア)、肩関節周囲炎(50肩)、胸郭出口症候群、神経症やうつ病、眼精疲労などです。
肩こり治療のポイント)
 肩こりは、図のような筋緊張、循環不全、痛み物質等の蓄積、筋緊張の悪循環に陥っています。そこで、この悪循環を断ち切ることと、筋肉疲労の原因を取り除くことがポイントです。具体的には、薬、湿布、ストレッチ、マッサージやリハビリです。
薬物
1)NSAID(痛み止め)
--ロキソニンなど

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