軽症うつ病

 近年、うつ病の増加や、うつの概念の拡大のためか、内科を訪れる患者さんの20人に1人以上がうつだと言われています。このありふれたうつ病ですが、重症な人は少なく、多くは軽症うつ病と呼ばれています。
 主な症状は@倦怠感や疲労感、A食欲不振、胃部不快感、便秘などの消化器症状、B睡眠障害、C肩こり、頭重感、しびれ、痛み、めまいのほか、動悸、冷や汗など自律神経の症状が見られます。太字が中心的な症状です。一般に朝方これらの症状が強く、朝食が食べられないが夕食は普通だったりします。睡眠障害は寝付きが悪いというよりも、グッスリ眠った気がしないといった熟眠障害が主に見られます。

 身体的症状があるのに調べてみても内科的な異常は何もなく、気分の低下や睡眠障害、日内変動などのうつの特徴で見つかります。こんな症状の時は表のSDSをやってみて、うつの傾向があるかどうか確かめてみましょう。
 もし軽症うつ病の可能性があるならまずは生活を見直します。家族や職場の理解をもらって、できるだけ休みましょう。仕事も頑張りすぎないよう、ノルマなどは減らしてもらって下さい。経過中、山あり谷ありですが、軽症うつのほとんどは数ヶ月で治っていきますので心配入りません。薬が必要な場合は医師の助言を受け入れ、薬を服用して下さい。「私は薬無しで、頑張ります。」では、治るものも治りませんので。






軽症うつ病の治療

 軽症うつ病の方は、ストレスに対して真っ向からぶつかってくたびれ果てています。そこで、この頑張りすぎから解放し、気分を楽にする薬が使われます。
精神安定剤
 ベンゾジアゼピンを中心とするいわゆる安定剤です。抗うつ作用を持つと言われる、ソラナックス、デパス、セディールなどがよく使われます。しかし、効果不良の場合は早めに抗うつ剤が使われます。
SSRI
 ルボックス、デプロメールなど。脳内のセロトニンという物質の機能を増強する薬です。古典的な三環系抗うつ剤などと比べ抗コリン作用(排尿障害、便秘、口渇感など)の副作用が少ないのが特徴で、高齢者にも使いやすく、近年、軽症うつ病の第一選択薬として使われています。少量から始め、2週間ごとに少しずつ増量します。

SSRD--パキシルなど。
SNRI--トレドミンなど
 これらもSSRIと同様、脳内でのセロトニンの作用を増強する薬です。基本的にSSRIと同様な作用を持ち、副作用の程度も同程度と考えられています。
ドグマチール(スルピリド)
 以前から軽症のうつ病に使われてきた薬です。現在でも有効ですが、SSRIやSNRIにその地位を取って代わられつつあります。
三環系抗うつ剤
 トリプタノール、トフラニールなど。最も古典的な抗うつ剤です。効果も良好ですが、抗コリン作用中心の副作用も多く見られます。
四環系抗うつ剤
 テトラミド、テシプールなど。三環系より新しいためやや副作用が軽いのですが、効果もやや弱めです。高齢者には三環系より使いやすい薬です。
 なお、三環系、四環系はしっかりとした抗うつ剤なので、精神科の医師の指導の下で使うべき薬です。

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