風邪の季節が到来

 北風を実感する時期になりました。ちまたでも咳をしている人が心なしか増えたようです。いよいよ風邪の季節がやってきます。この時期はインフルエンザを中心に1月中旬になるとスギ花粉症が始まり、お子さ

んに多い吐き下しやその他のウイルス感染症も入り交じって、様々な風邪が百花繚乱です。今回はインフルエンザを中心に、最近の呼吸器感染症のトピックスをまとめます。


最新インフルエンザ事情

 流感で寝込んだ思い出は誰にでもあるでしょう。試験の時にかかって残念な思いをしたり、スキー場の宿で3日寝込んだりなどです。以前、流感は冬の風物詩で、かかったら仕方がないものでした。ところがこの5年の間に、インフルエンザの診療風景が、がらっ

と変わりました。それは、正確な診断がつくこと、そしてその診断を元にインフルエンザウイルスの退治が可能となったことです。そこで、この冬のインフルエンザ対策の基本的な流れを図示し、各々の説明をします。

A)予防接種
 インフルエンザの予防には、まずワクチンの予防接種です。ワクチンは、前年の流行状況などを元に、今年はやりそうなウイルス株をいくつか選び、A型、B型の株を複数混ぜ合わせて夏の間に作っておきます。通常10月からワクチンが出回りますので、流行が始まる前の12月上旬までに済ませておきましょう。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるため、以前は1シーズンに2度接種


していました。しかし、インフルエンザの流行は年単位で順繰りなため、過去にかかっている可能性の高い大人や中学生以上のお子さんは1度となり、一巡していない可能性が高い12才以下は2度注射をしています。もちろん、予防接種も100%予防できるわけではありません。A型で約70〜80%、B型で約50%程の予防効果があるとされています。

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