尿路結石(腎結石、尿管結石)

 1ページの図でお示しした、尿管結石は、腎臓の腎盂でできた石が落ちてきて尿管の狭い部分に引っかかったものです。この腎結石と尿管結石を総称して尿路結石と呼びます。日本人の約5%が一生の内に尿路結石を起こします。また、一度起こした結石発作の再発率は40%程度だといわれています。結石発作は痛いので、大概医療機関を訪れます。痛みの位置は、石が引っかかっている位置にもよるため、一概には言えませんが、上腹部から、下腹部の膀胱までの間で、大概左右どちらかに石があるため痛みに左右差があります。また、2ページの図の腎臓がある位置を背中からたたくと、鈍い痛みを感じます。これは、石に阻まれて腎盂から膀胱へ尿が流れず、腎盂がパンパンに腫れるからです。血尿が出ることもあります。血尿も少量だと真っ赤にならず、何となく尿が濃いかなといった感じのこともあります。
診断:症状が特徴的なので、概ね診察するだけでわかります。また、超音波で、腎盂がパンパンになる水腎症の状態であることが確認されれば、まず間違いがありません。もちろん@の場所に石が見えることもあります。それより下だとどこに石があるかはわからないため、レントゲンや、CTなどで確認するケースが

ほとんどです。しかしレントゲンで写らない石もあるため簡単ではありません。CTでは、レントゲンより石がくっきり写る可能性が高く、また、拡張した腎盂、尿管がはっきり写るため、広がった尿管を腎盂から膀胱へたどっていけば石の有りそうな場所が推測できます。
治療:5mm以下の結石は、自然に出てくる可能性が高く、10mm以上のものはなかなか出てきません。一般的には、消炎鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレンなど)で痛みを和らげること、抗コリン剤(ブスコパンなど)で、尿管を広げて石を出やすくすること、そして水分をたっぷり飲んだり点滴をして、尿の水圧で石を押し出すことがまず行われます。これでダメな場合、体の外からドンと衝撃を与え、石を砕いて小さくし、出やすくする体外衝撃波結石破砕術(ESWL)がよく行われます。また、尿管の下の方にある石は、膀胱側から内視鏡(尿管鏡)を入れて砕くこともあります。20年前は手術をしていたので隔世の感があります。
再発予防水分をたっぷり飲みましょう。タンパク質の摂りすぎなど偏った食生活を避け、余計なサプリメントも摂りすぎないでください。就寝直前の食事もよくありません。



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