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3)運動緩慢、無動--すくみ足と言って、歩き始めの第一歩を踏み出そうとしてもなかなか足が出ない状態が特徴です。その他の運動もなかなか開始できません。また、歩幅が小さくなりちょこちょこ歩きになります。一点を凝視するような顔つきとなり、仮面様顔貌と呼ばれます。その他、文字を書くとだんだん小さくなっていったり、言語が緩慢になります。ひどくなると便秘、排尿障害、起立性低血圧など自律神経の症状が出ることもあります。
 大脳基底核という場所が侵され、そこで作られる

ドーパミンという神経伝達物質が不足し、これらの症状が出ると考えられています。原因不明のパーキンソン病、大脳基底核付近に脳梗塞が起こって発症するもの、脳炎後のものなどが一般的です。また、向精神病薬やドグマチールなどによって起こる薬剤性のパーキンソン症候群もあります。
 治療は、不足するドーパミンの代わりになるもの(L-dopaなど)、抗コリン剤であるアーテン、インフルエンザの治療薬でもあるシンメトレルなどがよく使われます。


てんかん

 大発作と呼ばれる、突然全身に激しい引きつけ運動を繰り返し起こすのがてんかんの代表です。しかし、てんかんには瞬間的に意識が無くなるだけの小発作や、意識は普通でも体一部の筋肉が急に痙攣するだけのもの、一見目的を持って行動しているようで、その場にそぐわない意味不明な行動だったり、その行動の記憶が抜け落ちている精神運動発作など、様々なものが含まれます。
 てんかんの正体は、脳のある部位で突然起こる電気的なスパークです。その脳の部位が本来支配している神経に関係のある症状を起こします。このスパークの有無を見るため、脳波を調べて診断します。スパーク

の起こる原因は、幼少児では生まれつきや出産時の脳の障害、少し大きくなると頭の怪我などが加わります。中年以降になると脳梗塞や脳出血の後遺症、脳腫瘍、脳の手術なども原因となります。
 治療は抗てんかん剤で、デパケン、アレビアチン、フェノバール、セルシン、テグレトールなどがよく用いられます。これらの薬で、てんかんの頻度が減れば効果があったと考えます。血液中濃度を測りながら適正量を決めることが可能な薬剤もあります。てんかんは、起こったときに意識がなくなり大事故につながるため、発作をゼロにしなくてはなりません。

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