こむら返り(ふくらはぎのつり)

 手足の筋肉が勝手にギュッと収縮する状態です。こむら返りでは、収縮する筋肉の部位ばかりか収縮の力までコントロールできなくなります。正体は筋肉の痙攣です。夜寝ている間にいきなりふくらはぎがつって目が覚めたという経験をお持ちの方もいるでしょう。正常人でも筋肉疲労時や妊娠後期によく見られます。その他、ひどく汗をかいたり下痢をして、体の塩分が不足したときや糖尿病、そして足の動脈が硬化して、循環不全を起こしているときなどにも見られます。

また、甲状腺ホルモンが不足した場合(甲状腺機能低下症やバセドウ病の薬が効きすぎたとき)にもよく起こります。喘息で気管支拡張剤、主にβ-刺激剤(メプチンやホクナリン)を使ったときにもこの筋肉の痙攣が誘発されることがあります。治療は、原因がハッキリしている場合は、それを解消すること、そして筋肉の緊張を取る筋弛緩剤(ミオナール、ダントリウムなど)が有効です。また、筋肉の痙攣が、上記で治らない場合はデパケンなど抗てんかん薬(抗痙攣剤)が有効な事もあります。


ギランバレー症候群とベル麻痺

ギランバレー症候群 
 なにやら難しそうな病名ですが、単にこの病気の発見者2名の名前を並べただけです。風邪や下痢など、ウイルス性の病気を起こした後、2〜3週間で手足が急に動かなくなる病気です。脊髄からの出口付近で、筋肉をあやつる末梢神経に炎症が起こって、筋肉の動きがままならなくなります。重症な場合は、手足だけでなく、胴体や呼吸筋(横隔膜や肋間筋)、顔面の筋肉の動きも悪くなり、命を脅かすこともあります。障害を受けた神経とつながっている筋肉はだらんと弛緩して、思うように体が動きません。原因は明らかではありませんが、感染症によって起こる免疫反応が、誤って自分自身の神経を傷めてしまうと考え

られています。症状が出始めて数日から数週間で麻痺のピークを迎え、数週から半年程度で麻痺は無くなり元どおりになると考えられています。後遺症が残る場合もあります。病気の起こる仕組みとして自己免疫反応が考えられているため、治療はステロイドホルモンを使います。

ベル麻痺
 片側の顔の筋肉が突然動かなくなる病気です。原因不明の事が多いのですが、顔面に冷たい風を長時間受けていて発症することがあります。顔面の筋肉に伸びる末梢神経の根っこが、頭蓋骨の中から顔の表面に出てくる場所で腫れてこの症状が起こるとされています。この腫れを取るためにステロイドホルモンなどが使われ効果を上げています。

こむら返り(ふくらはぎのつり) | ギランバレー症候群とベル麻痺 |
手根管症候群
パーキンソン症候群 | てんかん