肥満と八難、熱量収支、食事療法

肥満は病気と言うよりも状態です。しかし様々な生活習慣病(成人病)の原因になるためやっかいです。糖尿病、高血圧、高脂血症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などです。内臓や血管の病気だけではありません。太ると腰や膝に過剰な体重がかかり、椎間板ヘル

ニアになったり背骨がつぶれたり、膝の半月板というクッションが崩れたりして痛い思いもします。痛風や胆石の原因にもなります。肥満は生活習慣病によって寿命を縮めるばかりでなく、体の様々な場所を傷つけるため、中年期以後やっと仕事から解放されて自由になっても体に無理が効かず、楽しい老後を送ることができません。夜間に呼吸ができなくなって、年中寝不足に苦しみ頭がスッキリしない毎日を送っている方もいます。このように肥満は八難を呼ぶ災いと言い換えることができるでしょう。


肥満と八難

肥満とエネルギー収支

肥満は1ページで示したように、過剰なエネルギー(熱量)が脂肪として蓄積した結果です。この熱量の収支バランスをマイナスにしてやれば、脂肪が落ちて来ます。一般に体脂肪は1g=9kcalの脂肪に少量の水分が含まれているため、体脂肪1g=7kcalとなっています。そこで、体脂肪として2kg減量するには14000kcal

分、熱量収支を赤字にすれば良いわけです。これを一ヶ月で落とすとすると、14000÷30=467kcal分毎日赤字を作っていかなければなりません。2300kcal毎日食べている方なら、食事を10%減らして230kcalマイナス。そしてあと240kcal分の運動をすれば一日分として470kcalのマイナスがでます。なお食事を20%減らしたら460kcalとなるので、ダイエットだけでも、一ヶ月で2kg減量できることになります。飽食の現代では、肥満を自覚する男性なら2500Kcal程度、女性でも2000kcal程度の食事をとっていますので、上記の数字はまさに現実的なものです。したがって、食事量を10%20%程度減らして適量の運動をするという減量法がどなたにも通じる目安となります。各自目標を 設定し、実状に合わせて実行してみて下さい。

食事療法の考え方

 仕事内容の違いによる一日あたりの必要エネルギー量の基準値です。175cmの営業マンなら中等度なので1.75x1.75x22x(3035)=20212358kcalとなります。毎日の食事のkcalを食品交換表で計算するのは非現実的ですので、献立例の写真が載っている本か、外食の多い方はレストランのメニューに

ついてる数値を参考にして下さい。献立内容で、だいたいの熱量がイメージできたらしめた物です。なお食事の内容は脂肪分を少なくする以外は何でも結構です。バランス良く食べるように工夫して下さい。最後に太らない食事の8箇条を示します。(次のページ)

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