<

 お餅に青カビ、壁紙に染みついた黒カビなど、日頃カビを見る機会はまれではありません。カビ(真菌)は、細菌より大きな微生物で、菌糸という糸状の部分が本体で、胞子というタネのようなもので増殖します。細菌と同様、光合成をする能力がないため、栄養のあるものに寄生して生きています。寄生されたものからすると、栄養を吸い取られていることになるため、外敵と考えられがちですが、必ずしもそうではありません。カビが生えた食品は一般に腐っていると考えられていますが、カビが巣くっていることで、腐敗を起こす細菌が競合で負けて居座ることができず腐敗を免れいている場合もあります。また、カビは食品の全てを消化吸収することができるわけではありません。食品の一部分だけカビが栄養として使い、残りの有用な成分は引き続き利用できることもあります。それどころか食品のタンパク質が分解されてアミノ酸となり美味しい味となったり、腐敗菌を寄せ付けないため保存食として利用される場合もあります。味噌や

醤油、鰹節、チーズ、ヨーグルトなど、日本だけでなく世界の伝統の味を担っているのは、カビの副産物である発酵食品です。また、デンプン質をアルコールに分解するのも酵母なので、日本酒や焼酎、ビールやウイスキーなど世界中のお酒もカビの力を借りて造られています。また、抗生物質の代名詞ペニシリンは、元々ペニシリウムというカビが自分の周囲に競合する細菌を寄せ付けないよう、細菌の増殖を抑制する物質として分泌するものです。現在使われている抗生物質の多くは、この派生物です。
 さて、人間の体の表面にはブドウ球菌類などの細菌他、様々な微生物が住んでいます。消化管や膣など外部とつながっている体の内部も同様です。カビもその微生物の一つで、これらはお互い仲良く一緒に暮らしており、このことを共生と呼びます。ところが、その住環境や体の免疫力が変化し、一部の微生物が繁殖してしまうことがあり、カビによる様々な真菌症もこの結果です。

カビ(真菌)が生える? | 主な真菌症の原因菌 | 様々な白癬菌症
爪白癬(ツメ水虫)の治療
| 真菌症の治療