便秘の薬の考え方

 便秘は本人が苦しくなく出てしまえば結果オーライです。そこで、①便が硬い人は柔らかくする、②腸の動きが悪く出てこない人は、腸を動かしたり、③腸に活を入れる刺激を与え、排便を誘発する。そして④肛門のところに溜まっているのにもよおさない人は、浣腸や坐薬で直腸を刺激して出せばよいのです。⑤便の芯になる食物繊維も便通が良くなるので、古来よりゴボウやサツマイモが便秘に良いと言われています。これを利用した薬もあります。
①便が硬いので柔らかくする
 食物のカスが便なので、そこに水分を保つ、腸から吸収しない塩である酸化マグネシウムを混ぜて便を軟らかくする。
②腸を動かす
 胃の②で述べた、胃・腸の蠕動を促進する薬が有効です。

③腸を刺激する薬
プルゼニド、アローゼンなどセンナ由来の便秘薬やラキソベロンなどです。
④肛門を刺激する
 新レシカルボン坐薬や、グリセリン浣腸などがこれです。ひどい便秘の時に下剤をかけると腹痛が出ることがあるため、4日も5日も出ていないときは、まず下から出すのが定石です。
⑤便の芯になる食物繊維
 こんにゃくの粉(バルコーゼ)やオリゴ糖(ラクツロース)も有効です。過敏性腸症候群で使われる、ポリフルもこの働きがあるため、便秘性の腸症状にも有効です。






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