正常圧水痘症

 水頭症は、新生児などに多い脳室に髄液が溜まって、脳を内側から圧迫して機能障害を起こす病気として知られています。同様なことが高齢者などの成人に起こるものが、正常圧水頭症です。
原因)クモ膜下出血、頭の怪我、髄膜炎などですが、原因不明のものもあります。上記などによって、髄液の脳室から外部への流出障害が、病気の正体です。
症状)
①歩行障害(すり足など) ②精神活動の低下(認知症様)
③尿失禁

などが、月単位で出てきて、ボケてきたのかと勘違いされることが多い病気です。CTを撮ると、脳室という髄液が溜まっている空間が、ひどく拡大しているのが特徴です。

治療)
溜まった髄液を、頭蓋内へ流し出し、脳の圧迫を取ります。V-Pシャント(脳室→腹腔)、V-Aシャント(脳室→心房)、L-Pシャント(腰椎→腹腔)など、細いチューブを脳室(又は腰椎の髄腔)から圧の低い場所へ皮下を通して埋め、自然に流してやります。これにより、どの症状も速やかに消えていきます。
 一言で言うと、比較的簡単な手術で劇的に治る脳・神経疾患と言えるでしょう。中高齢者で、認知症症状が出てくると、CTやMRIを撮影しますが、正常圧水頭症のように治る認知症症状を見逃さないために検査をしているわけです。






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