日光じんましんと
コリン作動性じんましん

日光じんましん
 
日光に曝された皮膚に限局して起こる膨疹(蚊にくわれたような小さくかゆい腫れ)です。10~30歳代に多く、日光にあたって5~10分後に、その部位にかゆみやヒリヒリした感じを伴う膨疹がでます。春から夏の日差しが強い時に出やすいようです。
 血液中の薬剤などの物質が、皮膚に漏出し、日光にあたって抗原となり、そこで光アレルギーを起こします。抗原と反応した白血球の一種(肥満細胞)がヒスタミンなどのアレルギー惹起物質などを分泌して起こります。
 光の種類としては、可視光線や紫外線が中心で、前者が主です。従って、赤外線のみを防ぐバイザーやサングラスは無効な場合もあります。
治療)原因薬剤が想定されるときは、それを中止、または、変更をしてください。クロルプロマジン(向精神薬)、テトラサイクリン(抗生剤)などが原因薬剤として有名です。膨疹に対しては、一般のじんましんと同様、抗ヒスタミン剤が有効です。(セチリジン、エピナスチンなど)帽子や日傘、長袖の服などで

光を遮りましょう。紫外線が原因の場合は、サンスクリーンも有効ですが、可視光線が原因なら無効です。
コリン作動性じんましん
 夏はじんましんの起きやすい季節です。じんましんは、
皮膚の血管が部分的に拡張してできたものです。このため、暑くて皮膚から熱を逃がす必要がある夏は、軽いじんましんでも、強調されて大きくなります。また、冷房の効いたところから急に暑い外に出たり大汗をかいたりなど自律神経が忙しく働かなければならない時は、副交感神経末端からコリン(アセチルコリン)がドッと分泌され、じんましんを起こします。このような自律神経の反応によるじんましんを、コリン作動性じんましんと呼びます。このじんましんは、原因物質が明らかでないじんましんの大部分を占めています。日光じんましんとの大きな違いは、お腹や胸など、日光に暴露されていない部分にもじんましんが出ることです。
治療)抗ヒスタミン剤が有効です。日常の注意として、寒暖の変化を避けること、大汗をかくような運動を控えることなどです。






光による皮膚障害の仕組み| 日光じんましんとコリン作動性じんましん|
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