関節リウマチ治療の考え方

 繰り返しですが、早期に関節炎の治療をして、関節の変形を起こさないことが基本です。それには次の手順が良いでしょう。
)2010年の基準で診断がつくまでは、
NSAIDsで手応えを見る。
)1〜2週間後にNSAIDsの効果を判定し、血液検査結果を確認する。
)関節リウマチ(RA)と診断したら 経口リウマチ薬
(DMARSs)
を使って、関節の炎症を抑える。痛みが強ければ、NSAIDsを併用する。
DMARDsの効果が不良なら、生物学的製剤(抗TNFα製剤など)を加える。
)必要に応じてステロイドを使う
 などの順で、以下の意図があります。
1)、2)痛みに対してどんな病気であれ、消炎鎮痛解熱剤(NSAIDs)はある程度効果が期待できます。また、痛風やリウマチ以外の関節炎ではNSAIDsをしばらく服用するだけで治ってしまうため、検査結果がわかる頃には解決できているかもしれません。
)ここからが関節炎を鎮めるリウマチの治療です。比較的軽い場合、診断がやや曖昧な場合は、サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)や、ブシラミン(リマチル)がよく使われます。後者は皮疹が出ることが多く、私は前者を主に使っています。軽症な方は、これだけで関節炎が治まってしまいます。
 リウマチが明らかであり、

関節炎が強い方にはメトトレキセート(MTX、リウマトレックス)を使います。MTXは元々、免疫を担当するリンパ球などの白血球を殺す抗ガン剤で、白血病や悪性リンパ腫に使われてきました。抗ガン剤としての量を使うと白血球が激減するなどの副作用が強く出るため、少量を週に一度使うことによって、自己免疫で関節を壊しているリンパ球をほどよく抑え、リウマチをコントロールしていきます。
)リウマチは自己である関節に対して免疫が過剰反応して起こります。生物学的製剤は自分の関節を壊す指令である、リンパ球から出るTNF-αなどのサイトカインをおさえる薬です。TNF-αに対する抗体や、それに準ずる融合物質により、TNF-αとの結合体を作り、TNF-αの働きを止め、これを体内から排除します。一般にMTXが使えなかったり、効果が不良の時に使います。合理的な薬剤ではありますが、外敵から体を守る働きがあるTNFの働きを抑制するため、結核や肺炎などの感染症にかかりやすくなること、薬剤の価格がとても高価なことが問題です。多くは定期的に注射をしなければなりません。
)以前より、免疫抑制剤として使われてきたステロイドも副作用に気をつけながら使えば、未だに有効な薬剤です。






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