鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活13巻11号

すこやか生活

関節リウマチの変遷

 関節リウマチといえば、次のような思い出があります。整形外科の先輩に手のレントゲン写真を見せてもらいながら、「関節リウマチとは、このように、指先から2番目(PIP)の関節と、3番目(MCP)の関節の骨が融けてくるものである。」と、説明を受けました。骨が融けるという言葉は衝撃的で、融けてしまうようでは関節の構造がただで済むわけはありません。患者さんの関節は修復不可能なくらい変形しており、学生だった私の心に深く刻み込まれました。その患者さんの指先は、みな小指の方へ曲がっていて、日常の動作がとてもしにくそうでした。リウマチは多発性の関節炎ですから、当然手だけではなく、膝や足首も曲がっており、ひどく歩きにくそうでした。こんなに変形しているのなら手術もやむを得ないし、リウマチは整形外科分野の難病なんだなと思いました。
 ところが、内科でも免疫学の視点から病気の成り立ちや新しい治療についてリウマチを学びました。当時はリウマチの免疫治療が一般的ではなかったため、関節リウマチは整形外科のリウマチと、内科のリウマチと2つあるような

錯覚を覚えたものです。
 当時の治療は、関節の炎症が強く痛みがある時期に
NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤、ボルタレン、インダシンなど)と呼ばれる消炎鎮痛剤で痛みを鎮め、どうしても痛みが治まらない時はステロイドを使って抑え、関節が壊れきって炎症が治まり変形した時点で手術をして、機能回復のリハビリをしていくといったものでした。そのころにリウマチの治療を受けた方のほとんどは、手足の関節が曲がり、不自由さを残しました。
 時代は進み、関節リウマチの治療は、関節の破壊につながる炎症を、自己免疫を抑える薬で鎮めていく内科的治療が中心となりました。この治療によって、関節の変形はほとんどないか、あっても最低限となり、関節を動かしすぎると腫れたり痛んだりするぐらいで日常生活はほぼ普通にできる方が増えています。ポイントは炎症の初期にキチンと治療し、関節に変形を残さないことです。これを実現するためには、関節リウマチの早期診断が欠かせません。






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