腰痛をきたす内科疾患

1)腎疾患(腎癌を除く)
尿路結石
:腎臓でできた石や砂が尿管に落ちて詰まり、痛みの原因となります。尿が腎臓に停滞し腎臓がむくむこと、石が尿管をゴリゴリこすりながら降りていくことが痛みの直接的な理由です。石の下降につれて痛みは、下へ前へと移動し、膀胱へ落ちるとストンと消えます。血尿も良く伴います。
腎盂腎炎:膀胱炎から腎臓まで大腸菌などの雑菌が遡り、腎盂が化膿する病気です。右又は左の腰痛に加え高熱が出ます。
2)膵臓病
 膵臓と大動脈の間付近には、お腹の大切な神経(腹腔神経そう)が網状に走っています。神経の上に炎症や癌ができると腹痛に加え腰痛を覚えます。慢性膵炎は希な病気で、近年ほとん

ど見かけません。急性膵炎は胆石や、飲酒が原因で発症し、強い腹痛が特徴で、熱が出る場合もあります。膵臓癌は、みぞおちの裏側付近が痛む、腰痛の診断では外すことができない疾患です。前述の神経を直接冒すので、麻薬系の痛み止め以外は鎮痛効果不良です。
3)十二指腸潰瘍
 胃の少し先にできる十二指腸潰瘍は潰瘍が背中側にできると腰の痛みが出ます。もっともお腹側の痛みも出るので、症状的にわかりやすい病気です。空腹時に痛むのが特徴です。
4)肝・胆・脾の病気
 肝・脾は身がつまっている臓器なので、肝炎や特殊な血液病などで全体が腫れると腰痛がでます。胆石では腰痛を伴う腹痛が起き、胆のうが握られたような感じです。






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