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車のエンジンと心臓

 心臓は生命活動のエンジンです。車で言うエンジントラブルが、人の心臓病というわけです。車のエンジンと人の心臓では構造や働きが違うので一概に言えませんが、ザックリ整理して対比すると、こんな感じです。
エンジントラブルの代表的な原因
@エンジンブロックの異常
--ひび割れ、
 潤滑油の不足など
A電気系統の異常
---バッテリー切れや
 コンピューターの故障など
B燃料供給の異常
--燃料チューブの洩れや 
 ガス欠、燃料噴射装置の異常など
 車はエンジンがないと鉄くず同然です。同様に、人も心臓が機能しないと生きてはいけません。これらエンジントラブルの3つは、各々心臓の重要な働きの不具合と一致しています。

心臓病の3つの病態
@心不全
A不整脈やブロック
B虚血性心疾患(冠動脈の循環不全)
3病態とエンジンとの対比
@心臓は充分な血液を体の隅々まで送り出すポンプの働きをしている筋肉の袋です。エンジンブロックである心筋が充分働かないことを心不全と言います。
A筋肉でできている心臓ポンプは規則正しく必要に応じて収縮し、充分な酸素と栄養を全身に供給します。電気系統が故障し、エンジンの回転(心臓の収縮)が遅くなったり不規則になるのが不整脈やブロックです。
B心臓の働きを全うするには、心筋も冠動脈を介して充分な酸素と栄養を摂らなければなりません。心臓のガス欠にあたるのが虚血です。
 心臓の働きをイメージできたでしょうか?次に心臓病を自覚する典型的な自覚症状についてまとめます。






3つの病態(心不全、不整脈、虚血)

 心臓病を疑う自覚症状につながる3つの病態について再度、簡単に整理しておきましょう。
@心不全症状
 息切れや呼吸困難、むくみなどが典型です。原因は心臓の筋肉ポンプが充分に機能せず、体の酸素供給が滞ったり、水を多量に含む血液をもてあまし、肺や全身が水浸しになった症状です。
A不整脈・ブロック症状
 心臓の電気系統の不規則なスパークや断線によって起こる症状です。心臓には規則正しいリズムを刻む時計の働きをする洞房結節があり、そこから心筋全体へ電気信号が伝わる電線が伸

びて広がっています。この時計を含めて心筋までの電気の伝わる経路が断線したり、不規則なリズムが発生したりする状態がブロックや不整脈です。自覚症状としては、動悸、胸が躍ったり引っ掛かった感じがする、気が遠くなって失神するなどです。
B冠動脈虚血症状
 心臓に血液を介して酸素や栄養を運ぶ冠動脈の血流が減る虚血と呼ばれる状態です。病名では、狭心症や心筋梗塞にあたります。ほとんどが、動脈硬化によって血管内腔が狭まった結果です。胸痛や胸の圧迫感などが有名です。

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