貧血が疑われたら

 ご自分の症状などから貧血が疑われたら、まず本当に貧血かどうか確認しましょう。そして、もし貧血があったら、それがどのような原因で起こった貧血か調べます。最後に原因がわかったら、それに即した解決を図ります。
1)貧血の確認
 貧血とは血液の中の赤血球や血色素(ヘモグロビン)の不足が定義なので、血液検査が絶対です。一般的な血液検査で貧血かどうかの確認は充分ですが、貧血の可能性が高い場合は、鉄分が不足していないかなど、貧血の原因に踏み込んだ検査を同時にします。
2)貧血の原因検査
 貧血の原因には主に3つ有ります。
@赤血球の生産が不十分な場合
A赤血球が出て行ってしまう場合(出血)
B赤血球が壊れてしまう場合
  (溶血)
赤血球の生産不足
赤血球の生産が不十分な場合は主に、原料が不足や生産現場(工場)に不具合が起こった時などです。これらは、後ほど各々整理します。
赤血球の消失(出血)
 わかりやすいのが出血です。血を流せば当然貧血になるので、どこから血を流しているか調べることが、ここでのポイントです。よく見られるのは、胃潰瘍、胃ガン、大腸ガン、その他消化管からの出血です。大腸から出血すると、真っ赤な血便になります。胃など上部消化管からの出血だと、胃酸で酸化され血色素が赤から黒へ変わるので、黒色便が出ます。これらの診断には、胃カメラや大腸カメラで胃腸を観察し、出血部分の有無を確認します。検査の時にまだ出血している場合は、その場で止血することも内視鏡でしたら可能です。なお、痔からの出血を周りに言い出せな

くて、貧血になってしまっている方も時々見かけますので、痔といえども体の変化は必ずこちらへお知らせ下さい。その他女性では子宮内膜症を含む月経困難症、月経過多だと生理に伴って貧血の症状が出ます。また、子宮筋腫も同様なパターンで月経時や月経直後に体が辛くなります。これらはすべて赤血球が垂れ流されるので、血液の原料となる鉄分やタンパク質不足になります。治療は内科でもできますが、婦人科的な診察や検査は難しいのでそちらも訪ねてください。
赤血球が壊れてしまう場合(溶血)
 こちらは、血管内で赤血球が壊れてしまったり、脾臓という赤血球の処理場が異常に働きすぎて赤血球をこわしてしまう場合で、溶血を言われます。壊れた赤血球内から漏れ出た赤い色素が黄色のビリルビンとなり、濃い尿が出たり皮膚に黄疸が出たりします。免疫の異常や先天的に赤血球の形や働きが悪い場合、そしてC型慢性肝炎の治療薬であるリバビリンなどの薬物も溶血の原因となるので、溶血が疑われたらこれらの関与の有無も様々な検査で確認します。マラソンなど運動のしすぎで血尿が出るのは、足の裏でバンバン赤血球を踏んづけ溶血するのが原因です。脾臓が腫れる肝硬変なども赤血球が壊されて軽度の貧血を起こします。これは肝機能検査や超音波検査で診断が可能です。ちなみに肝硬変で、白血球や血小板が減少するのも、赤血球と同様に脾臓で壊されてしまうのが原因です。
3)貧血の治療
 鉄だけを補給すればよいのではなく、原因によって異なります。







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