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胸郭出口症候群と呼びます。
腕へ行くラインがボディである胸郭を出たところで圧迫されて起こる手のしびれの代表選手です。なで肩で首の長い女性に多いとされ、30代40代の働き盛りによく見られます。なお、男性では女性と逆に筋肉が発達していて首の短い方に多いと言われているので筋肉質の諸兄も油断がなりません。
 この症状を訴えられる方の多くに肩こりを併発し、前傾姿勢を伴うOA作業の増加に伴い、近年急増中です。ご自分の悪い姿勢によって起こる病気ですから、作業姿勢に気をつければ軽快します。

まずは前屈みを避けて、できるだけ腕をリラックスさせた姿勢をとりましょう。重い物を持ったり下げたりすることも避けましょう。肩や首の筋肉の緊張でパンパンになると症状が悪化しますので、マッサージをしたり、湿布やアイシングで筋肉の炎症を取るのも有効です。前傾姿勢の強い自転車のハンドルを起こしたり、ヘルメットのバイザーを外したとたん症状が消えたという話もお聞きしました。こんな症状に思い当たる方はご自分の生活や姿勢を見直し、専門家にアドバイスを求めるのも良いでしょう。






帯状疱疹

 一度罹ったら、けっして忘れることの無い病気の一つが帯状疱疹です。傷めた覚えもないのに体の片側に何とも表現しにくい痛みが起こります。頭のてっぺんから脚先まで、どこにでも出るのでやっかいです。最初は痛みだけで皮膚の発疹が出ないため帯状疱疹とわからず、大概、痛み止めをもらったり湿布を貼ってしのぎます。この最初の症状も様々で、多いのがピリピリした痛みです。なんとなく感覚が鈍かったり、逆に変な感覚を覚えたりします。そうこうしているうちに3〜4日経ってから、同じ部位に赤い湿疹様皮疹が出現し、次第に水ぶくれに発展します。この水ぶくれを伴う発疹は左右片側の一本又は二本の神経に沿ってできるので、ここで初めて帯状疱疹と診断されます。頭のてっぺんから、お尻まで少し斜めに5センチ幅で輪切りにした切り身の表面を想像

してください。(手と足は別です。)5センチ幅の帯が一本の神経のおおよその分布範囲です。
 さて、治療は帯状疱疹と診断がつき次第、抗ウイルス剤のアシクロビル(バルトレックス、ゾビラックス)を服用します。(重症例では注射)また、痛みが強いことが多いので、ロキソニンなどの消炎鎮痛剤(NSAID)の服用が一般的です。そして、発疹が治まると痛みも少しずつ軽減していきますが、これは皮膚と違って神経の回復によるので週単位、月単位かかります。この間、引き続きNSAIDを服用したり、末梢神経の再生を促すビタミンB12を服用します。しかし、このような手当をしても、残念ながら一部の方は神経痛が残ってしまいます。傷めた部位の神経が過敏になり、ちょっと冷たい風に吹かれるとピリピリする痛みが出たり、何もしなくて

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