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セロトニンが増えると体の緊張が続き、疲労感を増幅します。これらの機序からいくつか慢性疲労症候群の治療法が提唱されています。
(治療)どれも決定的ではありませんが、比較的害も少ないので試してみるのも良いでしょう。
@アスコルビン酸やビタミンB12
 ストレスで生じる活性酸素を減らします。B12は、睡眠障害を解消し、脱力感や集中力の低下を

軽減するとされます。
A補中益気湯
--狂った免疫を元どおりにすると言われています。
B軽いうつ状態が原因になっていることもあるので、軽めの抗うつ剤が有効な場合もあります。


ヘルペスウィルスと疲労

 風邪をひいたり疲れると、唇に水疱ができている方をよく見かけます。この水疱は単純疱疹といって、単純ヘルペスウイルスが暴れている状態です。このウイルスはほとんどの大人が持っており、普段はおとなしく隠れています。ところがいったんウイルスの宿主である人間が病気をしたり、過労状態になると、ウイルスは宿を失うかもしれないという危機感を覚えます。すると、潜んでいたウイルスが表面に出てきて水疱を作り、それが破れて他の元気な宿主(人)に転居しようと試みます。これが、単純ヘルペスウイルスによる口唇炎です。このヘルペスが暴れ出す過程を"ウイルスの再活性"と呼

びます。時々、風邪薬を飲んだら口内炎の副作用が出たと信じている方をよくお見かけしますが、これは迷信です。重ねて述べますが、体調を崩した宿主に愛想を尽かして逃げ出そうとしている店子のウイルスが口内炎、口唇炎の正体だからです。
 慢性疲労性症候群に陥っている方の唾液には、健常人に比べて100倍ものヘルペスウイルス(HHV-6)が存在すると言われています。この量を測ることによって、疲労の程度を知ろうという試みも最近は行われています。面白いですね、ウイルスを測ることで疲労を客観的に評価するというのは。

疲労とはなにか? 疲労の主な原因
慢性疲労症候群  ヘルペスウィルスと疲労  
オーバートレーニング症候群 疲労に関する病気