すこやか生活

ペットと病気

 少子化のためか、核家族化やDINKS、そして結婚率の低下のためか、現代人はペットという同居者と暮らす機会が増え、それとともに様々な病気をもらうようになりました。人は、社会生活を営まなければインフルエンザや結核などの感染症に罹る可能性が無いのと同様、ペットと暮らさなければもらうはずの無い病気を自分の心の癒しと引

き替えにもらう事もありません。昔から有名な病気の他、有名でも今はほとんど見かけない病気もあります。そして、これから増えてきそうな病気もあります。そこで、たまにはご自分の周りの同居者にも目を配り、もらわなくて良い病気に罹らないために気を配る事も、上手なペットとのつきあい方といえるでしょう。






オウム病

 クラミジアという、細菌とウイルスの中間くらいの大きさの病原体によって起こる病気です。インコやオウムを中心に様々な鳥類がこのクラミジアを保有しています。クラミジアは感染したインコなどの糞に混じっており、乾燥したクラミジア入りの糞を吸い込んでオウム病に罹ります。
 一般に家庭で飼うインコ類の10%強がクラミジアを保有しているとされますが、インコ自体は元気なままで見分けがつきません。ストレスその他が引き金になって、風邪〜肺炎を起こす鳥もいますが、鼻を垂らしたり、元気のないなどその予兆を示しているインコは要注意です。

 人間はクラミジアを吸い込んでから7日〜14日の潜伏期を過ぎて、インフルエンザ同様、鼻水や咳、高熱、全身の痛みなどで発症します。比較的痰が少なく頑固な咳と熱が1週間以上続くのが特徴です。そして、フロモックスなどのセフェム系やペニシリン系の抗生物質が効きません。このような症状の時に、飼っていた鳥が死んでいたり、ペットショップや屋内外で鳥との接触歴があればオウム病の疑いがあります。レントゲンで間質性肺炎の所見が見られれば可能性が高いといえます。
 治療はミノマイシンなどの抗生物質が有効です。

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