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が汚れたり、温度や湿度の調節ができず喘息が悪化します。炎症をおこした鼻水が気管に落ちると、咳や痰のもとになります。そして、鼻で起こしたアレルギー反応が、血液や神経を介して気管支に影響し、炎症や過敏性を起こし喘息になります。花粉症を材料に

して説明しましたが、どうやらアレルギー性鼻炎は様々な形で喘息に関わっていることは間違いないようです。喘息を持つ方、喘息とは言われていなくても、よく咳がでる方は、鼻炎を放っておかないで、同時に治療されると良いでしょう。






.花粉症の症状に合わせたアプローチ

 花粉症を代表とするアレルギー性鼻炎は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが代表的な症状です。これらの症状は、多かれ少なかれ、どなたにも揃いますが、人によりつらい優先順位が違います。各々の症状に合わせたアプローチで治療してゆきましょう。

1)くしゃみ
 これは、鼻の粘膜が炎症を起こしムズムズと鼻粘膜の神経を刺激して起こります。くしゃみ自体は、鼻の粘膜についた花粉を吹き飛ばす自己防御的な効果もあるため、止めれば良いかどうかという問題もありますが、一日中くしゃみをしているのはたまりません。そこで、まず鼻粘膜に起こっている炎症を抑えることが大切です。抗炎症効果の高いステロイド剤がもっとも有効です。ステロイドは出来れば副作用の少ない点鼻薬が望ましいのですが、症状の強い方は内服や注射薬も必要です。抗ヒスタミン剤も有効です。抗ヒスタミン剤は、炎症を抑える働きに加え、神経の働きを鎮める鎮静作用がありどちらも効果的です。

2)鼻水
 鼻水も花粉を洗い流す働きがあるため、止めるべきなのか悩みますが、これとて余りたくさん出ると日常生活の邪魔になります。鼻水を止める代表的な薬は抗ヒスタミン剤です。抗ヒスタミン剤は鼻水だけでなく、唾液(つば)の分泌も抑えるため、口の渇きを覚えます。また、軽い鎮静作用があるので眠気を覚えるものもありますが、最近は眠気をほとんど感じない薬も出ています。ステロイド剤も抗炎症作用が強いため鼻水を抑えますが、点鼻薬以外は最低限の使用にとどめたいものです。

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