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タバコと有害物質

 日本人の喫煙率は、男性が約55%、女性が約12%程度です。健康意識の高まりによって、その率は徐々に低下傾向ですが、20代、30代の女性ではやや増加傾向にあります。以前は映画スターなどが格好良くタバコを吹かす姿は、若者の憧れでしたが、最近では全館禁煙の喫茶店が流行るなど、タバコは文字どおり煙たい存在になりつつあります。さて、タバコの煙に含まれる有害物質は4000種以上にのぼり、主なものでも200種程度と膨大な数です。煙の正体は、まさに煙に包まれているようです。そのうちの主なものをまとめてみましょう






1)一酸化炭素
 炭素が不完全燃焼してできる物質で、タバコの煙に約1〜3%程度含まれます。赤血球の酸素を運搬するヘモグロビンという物質に強く結合し、酸素の運搬を邪魔して、酸素欠乏を起こします。妊娠中のお母さんがタバコを吸えば、お腹の赤ちゃんも酸欠になり発育が悪くなります。

2)ニコチン
 タバコのパッケージに含有量が書かれている主成分の1つです。ニコチンは精神を興奮させます。また、交感神経の働きを活発にしますので、血管がキューッと収縮したり、血圧が上がったり、心臓がドキドキします。このため、眠れなくなったり、手足が冷たくなります。ニコチンには依存性があるので、「切れるといてもたってもいられない」というニコチン中毒になります。まるで覚醒剤やモルヒネに近い働きですね。

3)タール
 タバコのフィルターで捕まる粒子のうちニコチンと水分を除いたものをまとめてタールと呼びます。フィルターを焦げ茶に染める様々な物質と考えてください。発ガン性の高い、ベンゾピレンなどが有名です。これらは、肺ガンだけでなく、喉頭ガン、食道ガンなどの原因となり、動物実験でも、その毒性が確認されています。

4)ニトロソアミン
 発ガン性の高い物質です。タールに含まれる大きな粒子のものだけでなく、フィルターで捕まえることができず肺の奥深くまで入ってしまう小さなガス状の粒子が問題になっています。

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