肺胞性肺炎・誤嚥性肺

 肺炎というと一般に肺胞性肺炎を指します。口から気管、気管支を通り、肺胞に達した細菌が繁殖して化膿したものです。代表的な原因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌(ウイルスではありません)などです。典型的な肺胞性肺炎は、熱が上がり、咳とともに膿ともいえる痰がどんどん出ます。レントゲン写真が診断の決め手となりますので、疑いがあるときは撮影します。肺炎を起こし膿が溜まってむくんでいるところは、レントゲンが通りにくくなるので白っぽく写ります。片側の肺の1/3程度が白っぽくなるようでは重症です。幸い、この50年の間、様々な抗生物質が開発されてきたので、肺炎も昔ほど怖くありません。体力

のある方、軽症の方は外来での治療も可能です。合併症のある方、体力のない小さいお子さんや高齢者、そして広い範囲にわたる肺炎は即入院です。
 肺炎の多くは風邪→気管支炎→肺炎と上気道の炎症をこじらせて進み、起こります。従って風邪をひいたとき無理したり、咳が出ているのに放っておくと肺炎になる可能性が出てきます。体力のない高齢者やお子さんは風邪をこじらせないよう気をつけてください。


誤嚥性肺炎 

 喉は食べ物を食道から胃へ、空気を気管から肺へと振り分ける重要な働きをしています。もしこの働きがうまくいかないと、飲み込んだ食べ物や痰が肺へ入ってしまい肺炎を起こします。幸い体を守る仕組みは2段構えになっており、誤って気管に入っても咳をして外へ吐き出すようになっているため、そう簡単

には肺炎を起こしません。ところが幼弱者や高齢者は、振り分け、咳出しの作業がうまくできなくて肺炎を起こすことがあります。特に振り分けに失敗して肺炎を起こすことを誤嚥性肺炎と呼びます。高齢者は脳梗塞などで喉の筋肉に麻痺が起

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