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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻8号

免疫やアレルギー治療の基本戦略

 免疫が関与する病気の多くは、過剰な免疫反応や間違った免疫反応(自己免疫)によって人の体や臓器が攻撃され、さまざまな障害を起こします。アレルギーも同様です。したがって、免疫力を弱めたり、免疫で起こった反応を抑えることが治療の基本戦略となります。

1)副腎皮質ステロイド
 広い範囲の免疫全般を抑える働きがあります。30〜40年前に使われ始めた頃は様々な難病にも効くため魔法の薬と言われ乱用されました。その後さまざまな副作用が知られ、最近は慎重に使われています。しかし、今でも臓器移植を含め、免疫を抑える必要のある多くの場面で中心的な薬です。全身的な副作用のでない新型ステロイドも開発されました。吸入薬、点鼻薬、軟膏などの外用薬は多くのアレルギー疾患治療の基本薬として再評価されています。

2)免疫抑制剤
 膠原病、リウマチ、臓器移植など難病や特殊な場面で使われています。最近ではアトピー性皮膚炎で、ステロイド軟膏の替わりに使われるようなものも出てきました。抗ガン剤として開発されたり、紙一重のようなものもあるため、一部を除いて診療所の外来ではあまり使われません。

3)免疫不活剤(免疫療法)
 免疫力を高める薬や治療です。ガン治療やこれから増えるAIDSなどの治療に活躍する可能性はありますが、今のところめぼしいものはありません。ウイルスを殺すインターフェロンなども広義の意味ではこの範疇です。

4)対症療法
 リウマチの痛み止め、花粉症の鼻づまりを取るプリビナ点鼻薬や抗ヒスタミン剤などです。症状を取るのが目的です。






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