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虚血性心疾患の原因

 冠動脈のとおりが狭くなることがその機序です。原因は2つあります。
1)冠動脈硬化(図1)
 冠動脈を裏打ちしている血管内皮細胞の傷に、様々な白血球がくっつきます。そのうちマクロファージと言う細胞が、コレステロールなどの脂肪を取り込み膨らんで、
プラークという塊を形成します。ここで下水の土管を想像してみましょう。ネバネバした汚れが長らく流れていると、徐々に土管の内側にへばり付き土管の流れを悪くします。プラークはそんなへばり付いた汚れの様なものです。

汚れは洗えば取れますが、プラークは土管の汚れと違い、管の壁の中に入りこむような塊なので、はがれることはありません。そして、さらにこのプラークがはじけて広がると、流れている血液をせき止め血栓(血の塊)を作り心筋梗塞を起こします。
2)冠動脈の収縮(図2)
 冠動脈は、らせん状の筋肉に取り囲まれています。このらせん状の筋肉が収縮し、血管を外側から締め付けてしまうと血液の流れが低下して、虚血を起こします。


図1

 冠動脈にプラークができ、そこに血栓がついて血管の内腔がふさがると、そこから先が虚血を起こし心筋梗塞になります。

図2

虚血性疾患の診断

1)症状 
 虚血性心疾患の代表的な症状は、胸痛です。胸板の裏側にある心臓が
押しつぶされたような感じで痛むのか典型です。痛みは、首、肩、背中、みぞおちなどに広がるように感じることもあります。狭心症では胸痛は5分以内のことが多く、長くても20分以内です。心筋梗塞は胸痛が30分以上と長く続き、時には半日以上に及ぶこともあります。また心筋梗塞の胸痛は強く、冷や汗が出ることも多々あります。

その他、脳の循環不全に伴う失神や、突発的な不整脈もよく見られます。このような症状を覚えたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
2)心電図
 心臓の血管に循環不全(虚血)が起こると、様々な心電図異常が起こります。一般に心電図は一度で12方向から心筋の働きを調べるので、どの部位に心筋虚血が起こっているかだいたい見当がつきます。心筋梗塞では起こった直後から 

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