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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻12号


すこやか生活

病気治療の手段と薬

 医者は古来より薬師と呼ばれ、薬を調合して処方するのが仕事でした。もちろん、薬を処方する前に様々な診断手法を駆使して病気の原因を探り、その治療にもっとも即した薬を使います。このため、薬に関する知識を深め、センスを磨くことに余念がありません。表1に現在用いられている病気治療の手段を簡便にまとめました。リウマチや神経痛などに対する湯治、物療以外は、薬物療法の他、ほとんどが20世紀以降に発達し導入されたものばかりです。
 元来薬の多くは、薬草を煎じたもの、動物の臓器を栄養のように食べるものや塩類などが中心でした。当然、玉石混交です。現在の漢方薬だけでなく西洋医学の多くの薬剤も、その起源は生薬由来であることが少なくありません。それら様々な自然界の物質や合成した物質を動物に使って、

治療効果や副作用の有無を確かめ、人に導入されてきました。いきなり人間に使ったこともあったでしょう。近年、分子生物学の発達から、体の様々な仕組みが解明され、体の調節を司っている分子、ホルモンなどの物質、そして様々な酵素の実体がわかりました。これらの成果に基づき、最近の新薬は開発が行われています。経験に基づく医療すなわち生薬由来の治療薬から、科学(サイエンス)に基づく創薬の時代が来たと言えましょう。ところで、薬はまじないの域を出ないものから科学的に検討された化学物質へ、明らかな転換期を迎えているのに人間の薬に対する思いは昔のままです。未だに食べ物や栄養の様な感覚のままの方がいるのは残念なことです。今回は、薬についての知識を深め誤解を解き、病気やご自分の体調と向き合ってください。






表1 病気の主な治療手段

薬の体内での動き

 全身的に効果を発揮する薬は、吸収の経路によって、経口剤と非経口剤の2つに大きく分けられます。

1)経口剤
薬の代表的な形が経口剤です。経口剤は、口から胃に入って溶け、腸へ流れ込んで吸収されます。腸から吸収された薬剤は肝臓に達します。肝臓で一部分解(代謝)されたり、逆に活性化された形に変わって心臓へと向かいます。そして、心臓から動脈を通って、全身


へと達し、効果を発揮します。経口剤は、錠剤、カプセル、顆粒や散剤などの形がありますが、どれも同じような経路をたどります。経口剤は、使用法が簡便なため、安定した効果が期待でき、外来治療の中心的な薬です。

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