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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻11号 

(3 ページから続く)

炎症性腸疾患
 潰瘍性大腸炎、クローン病などが代表です。腹痛を伴う下痢や血便が何週間も続くことが発見のきっかけになります。比較的珍しく、難病指定になっていますが、私の診療所でも一年に一人くらいの頻度で発見されます。治療がうまくいかず手術で腸を次々切り取っていったり命を落とす例もあり



ますが、最近は内科的な治療法が進み、病勢のコントロールも容易になりました。ペンタサ、サラゾピリンなどの特効薬や副腎皮質ステロイドの内服が中心です。クローン病では炎症物質
(TNF-α)を抑える抗体を3ヶ月おきに注射する新治療が注目を集めています。また、全身的な副作用の少ない副腎皮質ステロイドも解禁一歩手前です。

おなかの膨張感



 お腹が張る原因の主なものを表にしました。原因は様々ですが、一般の人でも判別がつくものもあります。例えば便秘や妊娠などです。ガスはおなかを軽く叩けばポンポンと太鼓のような音がするのでわかります。

 さて、便秘、妊娠、ガス以外は少し難しくなります。いつ頃から自覚したか、痛みがあるか、生理のサイクルや量はどうか、便は順調に出ているかなどが参考になります。水が溜まったのか、ただ脂肪がついて太ったのかは一般の診察でおよそ判別がつきますが、お腹が張った場合はまず体に負担のかからない超音波で見てみるのがよいでしょう。胃腸の状態は超音波ではわかりませんので、内視鏡やバリウム検査をしますが、ガスや便のたまり具合を確認するためにレントゲンを撮ることもあります。なお、胃腸と神経はつながっていますので、気にしすぎでお腹が常時張っていると言う方もいます。お腹が張っていてもいつもと同じなら心配ご無用です。

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