急性期にも残るコロナの諸症状

 新型コロナ感染症は肺炎を主とする病気で、多くの方は無事に急性期を乗り越えることができると考えられています。しかし、イタリアのCOVID-19で入院した患者での調査では、退院後のなんと71.4%もの人たちに、様々症状が残っていたことが報告されました。調査は発症後平均60日目の時点での症状です。多い症状を見ると、倦怠感や関節痛のような炎症症状や、筋力の低下を示す症状に加え、息切れ胸痛などの呼吸器症状が残っているケースが目立ちます。
 このような後遺症とも言えるコロナ感染後の症状の継続は「
Long Covid」と呼ばれることもあります。流行初期に新型コロナ感染症を経験した、イギリスの感

染症専門家は「7週間に渡って、身体的、精神的にジェットコースターの上に乗っているかのように良かったり悪かったりを繰り返した。」と述べています。イタリアの報告は入院した患者のデータのため、それなりのダメージがあり、普段の診療中の問診なので、治った後の症状を直接訴える比率が高くなっている可能性があります。前述のCOVID Symptom Studyアプリからの収集データ調査では、およそ1/10の感染者(軽症を含む)に、3週間にわたって体調不良がみられました。   
 これに対して様々な方策が提唱されています。具体的には、入院で衰えた筋肉や呼吸機能を向上させるためのリハビリを進めていくことや、精神的なダメージによる症状の場合ものあるので、メンタルサポートも必要です。リハビリは少しでも早く始めた方がよいため、まずは運動や深呼吸などの呼吸訓練を治った時点ですぐ開始します。流行先進国では、「
Post COVID-19 Patient information pack」など、軽快後の情報も提供されています。  Long Covid(https://www.longcovid.org/)というサイトもあり、様々な経験者の語りや、サポートに役立つ情報が掲載されています。

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