二つのむくみ(浮腫)

むくみは皮フの下(皮下組織と呼ばれる間質)に物質が溜まってはれることです。溜まる物は①水、②タンパクその他の物質です。
①圧痕性浮腫:指で押すとベコッとへこみ、この凹みがなかなか上がってこないむくみで、間質に水が溜まっています。この現象は、水には可動性があるので、押されると周囲に移動するからです。原因は様々で、心不全や腎不全などで体内の水の移動や排出が上手くいかない場合、ネフローゼや肝硬変その他でアルブミンなどのタンパク質が極端に不足し浸透圧が下がって、血管内に水を維持できなくなった結果です。また、血管が拡張したり、炎症を起こして血管内に水が漏れ出てくる炎症性のむくみもあります。一般に夕

方になると一日の間に低きに流れた水が足に溜まってむくみ、足を高くして寝ると朝にはむくみが取れてきます。根本的な解決は原因疾患を治療することですが、フロセミドなどの利尿剤が有効です。浸透圧のところでも述べましたが、塩は水を保持するので、塩分摂取を減らすとむくみが軽減します。
②非圧痕性浮腫:指で押してもへこまないむくみです。甲状腺機能低下症で、糖タンパクなどが間質に溜まると、水に比べ局所の可動性が乏しいため、押してもへこみません。毒虫にさされたり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの強い炎症、術後などのリンパ管閉塞などでも、水とともに水以外の物質が溜まるので、このタイプのむくみがでます。

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