免疫が弱いと病気になる?

 病気が起こるのは免疫力が落ちているからとお考えの方が多いと思われます。免疫力は病原菌やウイルスなどの外敵、ガンなどの内敵に対して働くのは事実です。後天的免疫不全であるAIDSでは、helper T-cellがエイズウイルスに感染して数が減り、機能を果たせなくなります。すると、弱毒のウイルスやカビによる重症な感染症に繰り返しかかったり、様々なガンや肉腫と呼ばれる悪性腫瘍ができて命を落とします。
 免疫機能が強ければ強いほど良いのかというと、そうは簡単にいきません。例えばアレルギー反応を見てみると、スギ花粉が体にとって異物なので、クシャミや鼻水で体の外へ追い出します。また、皮膚につくとかゆく感じ、こすったりかいたりして、払います。これがいきすぎて、クシャミや鼻汁が止まらなかったりするアレルギー性鼻炎や皮膚が痒くてたまらないアトピー性皮膚炎などは、免

疫機能が、体にとってマイナスな反応となった結果です。
 また、体の細胞の老化したものや傷んだものは、分解して吸収するなど処理しています。ガン細胞を異物と見なして排除するのもこの仲間です。これらは、新陳代謝や腫瘍免疫と呼ばれます。これがいきすぎると、正常な細胞まで敵と見なしてしまい、攻撃して病気を起こしてしまいます。こうして起こる病気は自己免疫性疾患と呼ばれています。
SLEや関節リウマチなどの膠原病、橋本病を代表とする、内分泌疾患(ホルモン異常)、各種腎炎などがこの仲間です。
 アレルギー疾患では、まず第一に抗ヒスタミン剤が使われ、効果が不十分な場合は、免疫抑制剤としてプレドニゾロンが併用で使われます。自己免疫疾患では、プレドニゾロンが中心で、メトトレキセートなどの免疫抑制剤もよく使われます。

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