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免疫とは

 免疫とは、読んで字のごとく、"疫を免れる"ということで、病気にならない仕組みのことです。病気にならないための働きなら、花粉症予防のマスクも疫を免れるために働きますが、これは免疫とは呼ばれません。免疫は体の中で起こる様々な身を守る仕組みを指します。
 免疫の事象は一様ではないため、目的別に少し整理をしておきましょう。
外来の敵に対する免疫
①感染防御
:細菌やウイルスなど、病原体の感染による疾病から身を守るために、一度かかった病原体を体が記憶し、それを短時間で排除する仕組みのことです。これは一般の方の抱く、免疫のイメージそのものでしょう。ワクチンもこの一つです。
②アレルギー反応:体に入った様々な異物を速やかに排除する仕組みです。スギの花粉が鼻から侵入すると、クシャミで吹き飛ばしたり、鼻水で洗い流したり、皮膚をひっかいて払い落としたりします。これらは一見、病気の症状と錯覚しがちですが、異物を体外

へ追い出すために必要な反応で、体に有意義な対応と言えるでしょう。
自分由来の敵や異物に対する免疫
③腫瘍免疫
:自分由来のもっとも重大な内なる敵がガン細胞です。ガン細胞は正常な1つの細胞の遺伝子に異常を生じ、それが2つ4つ8つと倍々に増えてコントロール不能に増殖すると考えられています。ところが目に見える大きさになるものはまれで、体内の敵を排除する腫瘍免疫の作動によって、異常細胞が壊され、大事にならない場合がほとんどです。この腫瘍免疫の目をかいくぐって大きくなったものがガンとして診断されます。
④自己免疫:体の新陳代謝では古くなった細胞などの老廃物の除去が必要です。こんな場面にも免疫は活躍します。しかし、老廃物だけなら良いのですが、誤って正常の細胞まで傷めてしまうことがあります。このようにして起こった病気は自己免疫疾患と呼ばれ、リウマチなど膠原病などが、代表です。

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