抗生物質の正しい飲み方

1.処方どおり服用すること
 抗生物質は、体内に入って吸収され血液中の濃度がある一定時間保たれること(β-ラクタム系など)または、一時的でも決められた濃度まで上がること(ニューキノロン系)が達成できないと効果が発揮されません。また、頭痛薬や熱冷ましのようにそのときだけ頓服的に飲んでも全く効果は期待できません。このように、飲み忘れや中途半端な使い方をすると感染症は治らないどころか、薬が効かない耐性菌を作ることにつながります。
2.変わったことがあったら問い合わせる
 抗生物質に限りませんが、薬には薬効以外にも様々な作用があります。例えば扁桃炎にセフェム系の抗生物質を使った場合、溶連菌を退治するだけでなく、腸内に常在する大腸菌や乳酸菌などの善玉菌もやっつけてしまいます。す

ると、腸内のバランスが崩れ、下痢をしたり、ひどいと出血をする場合もあります。また膣内の善玉常在菌のデーデルライン桿菌がやっつけられると、その隙間にカンジダというカビが生えて、かゆくなったりします。これらは一般に副作用に入りますが、抗生物質の性質上不可避なできごとでもあります。
 また、ペニシリン系やセフェム系は他と比べてアレルギーが出やすい薬です。もしほかに思い当たる原因のない発疹やじんま疹が出た場合、薬疹の可能性があります。ぜん息などがでることもあります。薬を使って、何らかの問題があった場合は、処方した医師か薬剤師に問い合わせましょう。
3.肝臓や腎臓の悪い人は必ず告知を
 抗生物質は最終的に肝臓か腎臓で処理されます。もし、どちらかの機能が著明に低下している場合、薬の処理が遅れたり副作用が出やすくなります。

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抗生物質と耐性菌
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