骨粗鬆症の治療薬(新薬を中心に)

1)ビスフォスフォネート製剤:アレンドロネート、リセドロネートなどで、破骨細胞に取り込まれ、細胞を機能不全に陥らせ、骨吸収を阻害します。骨密度を改善させ、骨折の予防効果があることが確認されています。1週間に1錠、または1ヶ月に一錠服用するタイプの薬が一般的です。
2)SERM:女性ホルモンのエストロゲンの作用部位に働き、破骨細胞の働きを抑え骨吸収を抑制させます。女性ホルモンとしては働かないため、乳ガンや子宮体ガンのリスクは上がらず、元々体内にあるエストロゲンの働きを妨害するため、ガンには抑制効果があります。また、エストロゲンが持つ、コレステロールを下げたり、動脈硬化の予防作用も併せ持っています。エビスタ、ビビアントなどがあります。
3)抗RANKL抗体RNAKL

とは、まだ破骨細胞に進化していない前段階の細胞が、成熟した破骨細胞になるために必要な物質です。これに対する抗体は破骨細胞による骨吸収を抑制するため、骨粗鬆症に有効です。デノスマブといい、6ヶ月に一度の注射でよく、骨密度の改善効果や、骨折の予防に強力な効果があります。低カルシウムを起こす可能性があるので、カルシウム製剤を毎日服用します。
4)テリパラチド:副甲状腺ホルモンの活性部位だけで作ったペプチド(小型のタンパク)です。毎日、または週に一度皮下注射します。骨形成の促進作用があります。
5)必要な栄養:活性型ビタミンD、ビタミンK、カルシウム製剤があります。これらは骨塩の材料になるカルシウムを体内に増やし、骨形成に役立ちます。その他、コラーゲンの材料となるタンパク質の摂取も骨形成には必須です。

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