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肺炎とは?

 抗生物質が開発される以前は、感染症が命を落とす最も大きな原因でした。膀胱炎から腎盂腎炎、中耳炎から髄膜炎、虫垂炎から腹膜炎と様々な致命的な細菌感染に悩まされていました。また、100年ほど前までは、麻疹やインフルエンザなどのウイルス感染症で落命する人があとをたたず、集団免疫が無かったアメリカのNative(原住民)の人たちは、水ぼうそうなどでもバタバタ亡くなったそうです。これらの感染症

のなかで最も恐れられたのは、肺炎です。肺炎の中には、胸に水が溜まる肋膜炎(胸膜炎)、脊椎などの骨に病巣を作るカリエスなど様々な病態をとるため、別に扱われていた結核などもあります。
 肺炎は細菌や、ウイルスなどの小型の微生物の感染によるものと、自己免疫の異常で起こる肺炎が主です。また、肺炎を起こす場が、肺胞内か、肺胞を取り囲む間質なのかによって、肺胞性肺炎、間質性肺炎と分けて呼ばれます。


肺胞性肺炎

間質性肺炎

肺胞性肺炎:肺胞の内腔に細菌が入って炎症を起こすため、肺胞内や細気管支レベルに膿とも言える分泌物が溜まります。このため、呼吸音や咳が湿り気を帯び、ゼーゼー、ゼロゼロします。細菌やそれを退治する白血球を含んだ黄色や緑色の痰が出ます。レントゲンを撮ると、肺のある区域全体がべったりと白くなります。

間質性肺炎:肺胞壁などに炎症が起こり肺胞内腔の外側に白血球が集まったり、タンパク質などの分泌物が溜まりますが、肺胞内への痰等の分泌は増えません。このため、咳をしても痰はほとんど出ず、ケンケンと乾いた咳になります。レントゲン撮影では、間質性肺炎を起こしている場所だけが淡いスリガラス状の影となり、肺胞性肺炎に比べるとおとなしいレントゲン像が基本です。

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