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PM2.5とは?

 晩秋から初冬は、空高く空気が澄み気温の低下も厳しくなく、例年気持ちの良い日が続いていました。しかし、最近は暖冬のためか、大陸から飛来するPM2.5のためか、関東地方でも何となく曇りが多く霞みがちな日が増えてきました。40年以上前の高度成長期には、日本の工業地帯の大気汚染はひどく、四日市ぜん息や京浜工業地帯の喘息などが公害として問題となりました。1970年代には、広い地域で光化学スモッグ注意報が発令されていました。四日市、東京、川崎などでは、今だに、ぜん息を持つ市民に医療費の助成が行われています。高度成長期以後は、日本の空気はだいぶ綺麗になりましたが、近年、大陸からのPM2.5の飛来のため、西日本では洗濯物を外に干せないところもあるそうです。
 PM2.5というのは、2.5μm(髪の毛の1/30程度)以下の小さな粒状の物質で、大気中に浮遊し、容易に肺の奥へ入り込み、呼吸器系や循環器系へ悪影響を及ぼす物質です。これは過去の環境基準にあった、浮遊粒子状物質の
SPM(10μm以下の粒子)より小さな物質で、物の燃焼によって直接排出される、いわゆる灰(ばい

煙)のほか、ガス状のSOx、NOx、揮発性有機化合物(VOC)が大気中で化学反応を起こし粒状化したものなどがあります。まれに、火山などから自然発生することもありますが、ほとんどが人間の活動により生み出される物質です。ボイラー、焼却炉、火力発電所、自動車、航空機などが主な発生源です。このようにPM2.5には様々な物質が含まれるため、人の健康に及ぼす影響も多彩で一様に語ることは困難な面があります。日本の工場や自動車は煤煙処理技術の進歩やエンジンの改善により、そこから発生するPM2.5は年々減少傾向にあります。ところが最近の中国では、PM2.5は猖獗(しょうけつ)を極め、冬になると10m先が見えないほどの霧が発生し、大問題になっているだけでなく、これが東シナ海を越えて大量に日本にも飛んできています。長崎県に飛来してきたPM2.5には、水銀が含まれていたこともあり、軽く考えているととんでもないことになる可能性もあります。この冬もPM2.5に関するニュースが賑わいだしました。目を離さないようにしていきましょう。





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