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皮膚の構造と働き

 皮膚は、体内で最大の組織の一つです。
体の外表面を覆い、表面から順に、①表皮、②真皮、そして③皮下組織(脂肪)でできており、その下は筋肉などです。
表皮は皮膚のもっとも皮膚たる部分で、4つの細胞層で成り立ちます。一番底から基底細胞層、有棘細胞層、顆粒細胞層そして、角質層です。基底細胞は一層で、盛んに細胞分裂して、そのまま基底部に残る細胞と、表面に上がっていき有棘細胞に進むものとあります。この細胞は、皮膚の各細胞の元になり、新陳代謝の中心的な細胞層です。また、細胞分裂、増殖をしている部分は、ここだけです。基底細胞は有棘細胞、顆粒細胞へと進んでいくにつれ、徐々に老化し、役目を終えます。顆粒細胞から角質になる時点で、細胞は寿命を全うし、死骸のケラチンタンパクだけになります。この角質が剥け落ちたものが、いわゆるフケやアカです。基底から角質までの表皮の細胞は、新陳代謝でおよそ4週で一皮剥けて置き換わります。表皮は、一部日焼けやシミの原因となるメラニンを作るメラノサイト以外は、全て表皮細胞でできています。最外層は丈夫な

角質タンパクでできています。表皮はどの部分がはがれ落ちても、次々と下から盛り上がって再生し、最前線で体を守る働きをしています。
 
真皮層は、紡錘形の線維芽細胞とコラーゲンなどの線維、そして、血管やリンパ管、神経などで成り立ちます。血管や神経の無い表皮層を支える、サポーターの働きをしています。皮は一皮むけても表皮までなら痛くも痒くもなく、出血もしません。真皮層まで剥けたり傷つくと痛みを感じたり、出血や、浸出液がしみ出してきます。
 最も深いところには、余剰の栄養を溜めておく、
皮下組織(脂肪)があります。ここは、栄養の補給庫だけでなく、外部からの衝撃を弱めるクッションで、外部の寒さから、筋肉以下の内部を守る断熱材の働きもしています。真皮には血管があり、熱を逃がすラジエータの働きほか、炎症細胞が動員するので、その下まで問題が波及すると炎症が起こります。
 以上、皮膚の三層構造をお示ししましたが、皮膚に問題が起こったときは、それがどの層に起こったものかイメージできれば解決に近づきます。






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