腎臓病の治療

1)一般的な治療
 腎臓病は原因はさまざまですが、原因を解消できることは意外に少ないもの。そこで、腎臓病に共通する生活注意から始めます。
A)減塩食
 高血圧が合併されている方、むくんでいる方など、ほとんどの腎臓病の方は減塩が必要です。特に透析をしている方は塩分の取りすぎにより、体に水が溜まって心不全になります。それ以外の方は一般の方の半分くらいの食塩が基本です。一日三食のうち、味気ない食事が二食、ほとんど塩の入っていない食事(コンチネンタルブレックファーストのようなもの)でこの量に相当します。なお、透析をしている方、クレアチニンが高くそれに近い方は生野菜や果物などカリウムの多い食品は厳禁です。
B)水分制限
 ネフローゼなどタンパク尿が多くむくみがちな方、透析中か透析目前の方は心臓に負担がかかるため、飲水は控えめにしましょう。透析に入ると尿がほとんど

出ないので、飲めば飲むほど体に溜まります。
C)血圧コントロール
 ACE阻害剤やARBと呼ばれる、前述のレニンアンジオテンシン系を通して作用する薬剤がよく使われます。
D)利尿剤
 フロセミドなど体に溜まった過剰な水分と塩分を絞り出します。
2)特定の治療
A)ステロイドや免疫抑制剤
 体が不要に作った免疫グロブリン(IgG抗体など)が糸球体などに沈着して腎機能が低下します。これらの薬は、リンパ球などに作用し、過剰な免疫反応を抑え、効果を発揮します。
B)ジピリダモールや抗凝固剤
 ネフローゼの治療にA)とともに使われる、比較的、副作用が少ない薬です。






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