心と体の接点

 「心身」と言いますが、人は体だけでなく心があって一つの生命体として機能しています。頭の中の脳細胞は盛んに情報交換を行いながら、心という抽象的な概念のイメージを形作っています。心は周囲の様々状況で揺れ動いています。過剰な刺激によって大きなストレスがかかり強く緊張したり、楽しいことや気持ちの良い体験を通してリラックスし、緩やかに弛緩します。
 頭の中で起こっている心の動きは、必ずしも脳内にとどまっているわけではありません。脳を作っている脳細胞は、類似の神経細胞を介して、全身の組織や臓器へ触手を伸ばし、情報交換をしています。このため、心の動きは逐一体の隅々まで伝わってしまいます。心の不具合があると、負の情報が全身へ伝わり、内蔵や、手足・首筋の筋肉などが、その情報に反応します。このように心の不具合に体が反応して、身体疾患や症状をきたすことを心身症と呼びます。正確には、「身体疾患(症状)が

主たるもので、心理社会的因子の密接な関与が認められるもの」です
 心身症としての心の関与が大きい主な疾患を列挙しました。これらの病気は全てが心の問題だけではありません。しかし、心のケアを平行して行っていく方が解決しやすい疾患です。これ以外にも、心の乱れやストレスが症状の増悪に関与する病気もあります。

心身症が見られる主な疾患
1.呼吸器系
  気管支ぜんそく、過換気症候群
2.循環器系
  高血圧、狭心症、心筋梗塞、不整脈
3.消化器系
  胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群
4.
神経、筋
  筋収縮性(緊張性)頭痛、自律神経失調症
5.内分泌・代謝
  糖尿病、神経性食欲不振症
6.皮膚
  アトピー性皮膚炎、じんま疹
 






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