降圧剤と低血圧

 近年の医学の進歩はめざましく、降圧効果が強力な薬が目白押しです。これに伴い、高血圧なのに薬が効きすぎて低血圧の症状が出てくる場合があります。降圧剤を服用中の方で今回のような低血圧の症状が明らかな場合は、薬の見直しが必要ですので、主治医に相談してください。以下は各降圧剤の特徴です。
α遮断薬
--カルデナリンなど。血管を収縮させ血圧を上げる交感神経の働きを妨げます。早朝高血圧を解消するため寝る前に飲んでいる場合などで、早朝に起立性低血圧症を起こします。前立腺肥大の治療薬もこの仲間ですが、低血圧が起きにくく作られていますので、症状が出ることは稀です。

カルシウム拮抗剤(Ca拮抗剤)
 アムロジピンやニフェジピン(アダラート)などです。一日1回服用のものは急性の低血圧症状は稀ですが、慢性的な低血圧症状を来すことがあります。一日2回タイプのものは血圧の上下が大きいので注意が必要です。
ARB、ACE阻害剤
 前者がブロプレス、ディオバン、後者がエナラプリルなどが代表です。単剤では低血圧症は出にくいのですが、他の薬と併用される場合は注意が必要です。
 降圧剤が効き過ぎている可能性がある時は、中止か減量が原則です。






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