認可が期待されるワクチン

  10-8号で紹介したHibワクチン以外の、海外で既に実績のあるワクチンをまとめます。
1)ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
 HPVは、性行為で女性に感染するウイルスで、子宮頚がん発生の必要条件と考えられています。このウイルスが子宮頚部の粘膜細胞へ入ることを阻止できれば、子宮頚がんの制圧が可能です。HPVはおよそ15種類あり
その中の主な2〜4種を組み合わせています。先進各国では概ね性交を始める前の年齢である10代前半〜中盤に定期接種されています。

2)ロタウイルスワクチン
 ロタウイルスは、乳幼児の下痢を起こすウイルスとして知られていますが、当然成人にも感染します。このウイルスは、一般の外来を受診する下痢の方の、30〜40%を占め、最も多い下痢の原因です。たいがい軽症で終わりますが、脱水などで希に重症化することもあります。ロタウイルスも数多くあるため、一生のうちに何度もかかります。しかし一度かかれば、次に他のタイプに感染しても軽くすむことがわかっています。
 ワクチン接種は重症化防止と、お母さんが休まず安心して仕事ができることを目的としています。


ワクチン副反応に対する救済制度
 8種の定期予防接種と高齢者のインフルエンザは面倒な書類を書かなければなりません。その理由は、書類が整っている限り予防接種で起こった身体障害に対し、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、埋葬費用などが税金から支払われるからです。8種の疾病は蔓延すると社会の大きな問題なので集団で予防し問題が起きたら救済しようと言う訳です。インフルエンザは個人の予防なので、給付額が少し少なめです。

予防接種考
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 2つの肺炎球菌ワクチン
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