肩こりの診断

 肩こりは次のような特徴があります。
@頸や肩関節の運動をすると起きやすい
A重労働後に起きる(筋肉の強い負荷)
B実際に筋肉が硬くなっている

 これらをすべて、肩こりのある人は感じています。僧帽筋などに負担をかければ、筋肉に疲労と傷害や炎症が起こり、肩がこるというわけです。
 さて、経験した人は当然と思っている肩こりですが、医者も患者さんも混乱していることが多いようです。原因は、きちんとした病名や診断法が無いからです。
 では実際に、どのように診断されるのでしょうか?それは、除外診断といわれる手法で、あれでも、それでも、これでもないから肩こりでしょうという診断法です。しかし、肩こりの診断のためにあれもこれも検査するのは現実的ではありません。そこで、次の方法が具体的です。

1)僧帽筋の色々な箇所を親指で揉むように押して、痛い場所を探す
2)しばらく揉んで痛みが軽くなるか調べる

3)筋肉を伸ばす方向にストレッチして楽になるか確認する。
 押して痛むなら筋肉などに炎症があったり傷が付いている証拠です。関節なら普通は押しても痛みません。
 揉むと楽になるなら、筋肉にうっ血があります。うっ血が取れ、腫れが引くからです。
 ストレッチは僧帽筋なら、頭を前に下げ、首スジを伸ばす、こっている腕を前から反対側に振る。その他の小さい筋肉ならこっている方と反対側へ頸を横に倒してみる。
 1)〜3)に該当し、一日のうちで良いときと悪いときがあるようなら肩こりです。肩こりは筋肉がくたびれてくる夕方から夜に強くなります。枕や寝る姿勢に問題があるなら、朝起きたときから肩こりを感じることもあります。以上を参考にして、ご自分の痛みが肩こりによるものかどうか振り返ってみましょう。






肩こりと紛らわしい病気

頸椎椎間板ヘルニア
 頸の骨と骨の間にある軟骨でできた椎間板が、脊髄や末梢神経を圧迫する病気です。肩こりと似た部分に痛みが出ますが、筋肉痛でなく神経痛です。神経痛は痛い部位の筋肉を揉んでも伸ばしても痛みは改善しません。頸や背中を伸ばしたり、後ろへ反り返る動作が痛みを助長します。頸を引っ張ったりすると一時的に痛みが改善するので、リハビリとして牽引が行われることがあります。
胸郭出口症候群
 頸椎から出ている腕に行く神経は、脇の下方面へ伸びています。頸椎を出ると神経は、頸肋、鎖骨、第一肋骨や斜角筋群に囲まれた場所を通過します。これらによって神

経が圧迫されると肩こりに似た症状が出ます。腕から手にかけてのしびれなどの末梢神経症状です。痛みの原因は神経痛です。
頸肩腕症候群
 首(頸部)から肩・腕・背部などにかけての痛みやしびれ感がでる病気のうち、頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群以外の病気の総称です。原因が特定できないこともよくあります。
 頸肩腕症候群は、パソコン作業など座って行う作業やストレスが背景にあり、かつてはキーパンチャー病と言われていました。
 頸や肩、腕の痛みやしびれやマヒなどの症状が出ます。特別な治療はなく、牽引したり、筋肉を揉んだり暖めたり

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