すこやか生活

第10巻9号 

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高血圧の分類

表が成人の高血圧分類です。以前は、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上が一般に血圧の高い状態とされてきました。もっとも10年前は160/95mmHg以上を高血圧と呼び、この中間を境界型高血圧と呼んでいました。以前の境界型高血圧まで、I度高血圧という立派な高血圧の中に入れられてしまったわけです。
 ところで、高血圧の分類でI度高血圧以上に入るとす

ぐに治療するという意味ではありません。それ以下でも至適血圧より、正常血圧、正常高値血圧の方が、動脈硬化が進み心筋梗塞などの合併症が多いこともわかっています。だからといって全員が120/80mmHg以下の血圧を目指す必要はありません。そこで、年齢や、他の動脈硬化のリスクを勘案して、血圧を下げていく目標も提案されました。


成人の高血圧分類

降圧目標

血圧の治療は年齢やその方のリスクの大きさによって、異なります。(表)一般に年齢の若い方、リスクの高い方は低めに、ある程度高齢の方や脳卒中になった方はやや高めに設定されています。
 血圧の降圧目標は、診察室での目標値と家庭血圧での目標値があります。これは病院で血圧を測ると平均して
10mmHg程度高めに出る白衣高血圧の方がいるため、上がらない人を含めた平均値の差がおよそ5mmHgぐらいあるからです。 

ここで若年者とは50歳未満、高齢者とは65歳以上、中年者とは50歳〜64歳までです。ガイドラインに書かれていませんが、高齢化の進んだ日本では、75歳を過ぎた後期高齢者と60歳代の高齢者をひとまとめにするのはやや無理があると思われます。そこで80歳を過ぎた方などはもう少し目標値を高めに設定しても良いと私は思っています。なお、CKDとは、慢性腎臓病です。

高血圧治療ガイドライン2009
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家庭での血圧測定の注意点
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