鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻6号

すこやか生活

糖尿病の概要

きます。絶対的な不足はインスリンを補わなければなりません。インスリンがあるのに働かない抵抗性がある時は、それを解消するために、減量や運動が必要です。相対的な不足や、食後血糖だけ高い場合は内服薬などを利用します。
 日本では糖尿病を持つ人が
300万人以上を越え、境界型糖尿病と呼ばれる予備軍にあたる人は1000万人にのぼります。生活が豊かになりカロリー消費が増え、交通手段の改善や生活の機械化によって、全世界的にも爆発的に増加しています。多くの合併症の原因となる糖尿病を持つ市民をすこしでも良くしていくために、政府は市町村と手を組み、糖尿病性腎症重症化予防プログラムや糖尿病重症化予防プログラムを始めました。食事指導などを通して、より密に対象者をバックアップし、少しでも合併症のリスクを軽減していこうという取り組みです。国民健康保険加入者に限られるなど使いにくい面もありますが、糖尿病は合併症が出たときは取り返しがつきません。該当される方は是非とも利用して真剣に取り組んで頂きたいと思っています。

 糖尿病は一言で言うと、"体内でブドウ糖を利用する際に必要なホルモンであるインスリンの分泌不足などで、その働きが不十分となり、血液中などでブドウ糖がだぶつくことにより、全身の動脈硬化が進み、心筋梗塞、腎臓病、脳卒中ほか様々な全身の合併症をきたす病気"です。 ブドウ糖は糖分のなかで一番小さな分子の一つで、体内の血液他の体液と細胞との行き来がしやすく、体を作り動かすための根本的なエネルギー源です。血液中のブドウ糖の量は血糖値と呼ばれ、空腹時では概ね80100mg/dl程度に維持され、食事をすると160mg/dl程度に上がります。
 インスリンの不足は、絶対的な量の不足(
I型糖尿病)だけでなく、分泌は足りているのに十分働かない場合(インスリン抵抗性)、食直後の分泌だけ低下しており、食後の血糖値だけ上がる場合があります。インスリンの作用が足らないと、人体はブドウ糖を利用できず、血糖値が上がってそれが尿へ排出されます。また、他のエネルギー源を使わなければならず、体内の脂肪や筋肉のタンパク質が使われてしまうため、重症の糖尿病では体がやせ細って行

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