鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻2号

その他、接種が望ましいもの

破傷風:土壌に広く存在し、汚染された傷口から侵入した破傷風菌が産生する毒素で、神経がマヒし息ができなくなる致死的な病気です。現在4種混合ワクチンに含まれており、1968年よりジフテリアや百日咳とともに3種混合ワクチンとして定期接種化されました。つまり、その前に幼少時を過ごした方は免疫がありません。また、接種していても10年以上経つと免疫力が低下するので、農作業や土いじりをする方は接種が望ましいでしょう。
日本脳炎:ワクチンの安全性の問題で平成17年から5年ほど接種が手控えられていました。22年から再開されましたが、この間に接種の時期を過ごしたお子さんは免疫がありません。日本脳炎の人での発症は現在年間10名以下ですが、家

畜のブタの間では蔓延しており、感染ブタの血を吸った蚊に刺されると感染の可能性があるため、接種しそびれた方は、やっておいた方がよいでしょう。
B型肝炎:母児感染の予防が進み、日本人のB型肝炎ウイルスの保有率は1%未満で、新生児は0.1%未満となっています。また、ワクチンは乳児の定期接種にも含まれるようになりました。しかし、高齢者を中心にまだまだ保有者はいるため、医療関係者や介護に携わる方はワクチンの接種が望ましいでしょう。不活化ワクチン類似のため3回程度必要です。
A型肝炎:発展途上国に長期赴任される方は、B型肝炎と同様に、早めに接種しておくと良いでしょう。

感染症の歴史と予防接種 | 大人の予防接種の意味と考え方 | 中高齢者の予防接種
子宮頸ガンワクチンのその後
| その他、接種が望ましいもの