鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻12号

すこやか生活

新型コロナ時代の熱の受診

 熱が出ると、成人も子供も高齢者も皆、新型コロナウイルス感染症が気になってしまいます。そこでまず、次の点をチェック下さい。
1)普段熱を出しやすいのか?
2)普段熱を出しやすい人は、1日で下が 
 ることが多いのか、それとも続くのか?
3)熱が出やすい場合は、天候や低気圧と  
 関連が強いのか?
4)もともとなにか別の症状があったのか?それはいつからなのか?
5)熱以外の症状のリスト
・上気道症状
 ノドの痛み、クシャミ、鼻水、鼻づまり
・下気道症状
 セキ(痰もある、痰のないカラセキ)
・泌尿器症状
 頻尿や排尿時痛、腰痛(左右差の有無)
・消化器症状
 腹痛、下痢、血便や下血など
・皮膚症状
 傷や化膿部位、発疹やじんま疹
これらを確認の上、一度かかりつけ医に電話で相談するとよいでしょう。我々医師は、普段診ている患者さんについては、概ね熱の原因がイメージがわくので、新型コロナウ

イルス感染症でないと思えば診察します。また、1日待っても大丈夫と思ったら、様子を見てもらうこともあります。
 1日で解熱する場合は、3)に該当することが多いので、心配は少ないものの繰り返します。
2日続く場合は、問題が大きい場合があるので診察が必要と思います。第一波が収まりつつあるコロナウイルス感染症ですが、6月以降は再び頭をもたげてきます。このため、現在PCR検査をどんどん行えるような準備が進められ、最近は怪しければ保健所の許可が無くても行えるようになりました。このため、2日熱が出たら、かかりつけ医に相談し、PCR検査を先に行って、陰性なら、診療所にもどり、普通の対面診療を受けるという順番もあるでしょう。症状や経過が新型コロナウイルス感染症以外の疾患の可能性が高ければ、PCR検査を受けずとも診察が受けられるかもしれません。電話やオンラインで初診患者の疾患を見分けることは簡単ではありませんが、丁寧なやり取りの中で新型コロナウイルス感染症かどうかはハッキリしてきます。ご自分の症状の経過を時系列に整理し、上手に伝えて下さい。

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編集後記