鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻1号

すこやか生活

汗と汗が出るしくみ

します。なお、汗腺は、全ての動物の体表にまんべんなくあるわけではありません。犬にはほとんどなく、ネコは四肢(肉球)などに存在します。犬は息をハアハアすることで熱を逃がし、ネコは臭い物質を汗腺から出し、フェロモンとしてマーキングなどに使います。
精神的発汗
 こちらは、感情の高揚などによって、交感神経が刺激されて起こる発汗で「手に汗を握る」というのが典型です。温熱性の発汗と異なり全身で発汗するわけではなく、手のひら、足の裏、脇の下などに発汗場所は限られます。手の指紋は、汗腺の開口部が盛り上がってできた紋様で、人やサルなどに見られます。この紋様と汗が加わることで起こる摩擦係数の上昇で枝が握りやすくなり、敵が襲って来たとき速やかに木に登って逃げられるように進化したのでしょう。
味覚性発汗: 辛い物や、酸っぱい物を食べたときに鼻の頭などにかく汗です。強い刺激を、口が熱いと勘違いし汗をかいてしまうようです。

 「汗をかく」とは、単に汗をかく以外に、努力して頑張るという意味があり、「手に汗を握る」とは、興奮している状態を示します。「冷や汗をかく」のは、交感神経の緊張が極度に達している時です。このように、汗は人の身体活動や精神活動とは切っても切れないものです。
 汗とは皮フの汗腺と呼ばれる分泌組織から分泌される液体です。主成分はそのほとんどを占める水で、
99%以上となっています。残りのごく一部はナトリウム(Na)、カリウム(K)、塩素(Cl)、カルシウム(Ca)ほか、様々な物質が含まれています。このうち主な物質は塩(NaCl)です。つまり、汗をかくと塩を吹きますが、かいた汗の水分が蒸発して残った物が吹いた塩です。
温熱性発汗
 体温が上がったときに起こる発汗で、全身の汗腺から汗が出てきます。この汗は、全身の皮フから蒸発し、その気化熱で皮フ表面の温度を下げ、体温の低下を促します。体温の上昇は、それを皮フ表面などで感知すると、脳の視床下部に送られ、そこから情報が全身の汗腺に送られ発汗

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2つの汗腺
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