減塩食の工夫

 厚生労働省の調べでは2016年の成人日本人の食塩換算での一日塩分摂取量は、男性10.8g、女性9.2gでした。2000年代の初頭では、各々12g11gを超えていたので、健康志向の広がりか年々塩の摂取は減少傾向にあります。これは、欧米の先進諸国と比較し、まだ1020%多い量です。これに対し、厚生労働省の目標値は、男性8g、女性7gです。また、高血圧学会の推奨値は一日6gです。腎臓病患者さんの目安が36gWHO(世界保険機構)の目標値が5g未満となっています。これらより、有効な減塩食にするには、一日の塩分摂取量を1/22/3程度まで削減しなければならないことになります。学生時代の栄養学の宿題で、3日分の自分の食事を振り返って、三大栄養素、カロリー、塩分などを食品成分表とにらめっこしながら、計算したことがありますが、あまりにも煩雑でとても毎日はやれたモノではありません。そこで、いくつか簡単にできる工夫を紹介します。
1)3食に一度、塩分フリー食とする
 例えば、毎朝、又は毎昼の食事の塩分を限りなくゼロに近づけます。具体的には、朝食はパン(菓子パンを含む)とゆで卵、そしてサラダとし、ドレッシングの代わりにお酢とコショウなど香辛料をかけます。お昼をおにぎりだけとして、無塩の梅を入れたり、ごく少量の昆布を入れても良いでしょう。おにぎりの具は入れすぎなければ大した塩分にはなりません。もちろ

ん、パンなどにはごく少量塩が入っているため厳密にはゼロではありませんが、1食の塩分を1g以下にする事は可能でしょう。
2)保存食は避け、自分で調理する
 保存食は言い換えると、塩漬けです。身近な食材だと、ハム、ウインナー、チーズほか、漬け物、干物、缶詰、瓶詰めです。これらを使わないといちいち自分で調理しなければならないため面倒ですが、その分、塩加減の調整が可能です。
3)外食は控えめに
 味が濃い外食は塩分が多いメニューがほとんどです。減塩食に慣れ外食が塩辛いと思えてきたらしめたものです。
4)汁物は飲み干さない
 具のうま味がしみ出た、みそ汁、スープ、そばやラーメンのだし汁は美味しいもの。しかし、食事で最も塩分が多いのもこのお汁です。具だけ食べ、汁は一口で止めることができれば、塩分1g程度削減することは簡単です。カップ麺の表示を見てみましょう。塩分がとても多いのですが、そのほとんどがスープに含まれています。
5)袋菓子を食べない
 おせんべいやポテトチップスなど、塩っ辛い間食は御法度です。これらは口を開けてしまうと、止められなくなってしまい、結局一袋食べてしまいます。
6)塩以外の調味料を工夫しよう
 レモンや柚などの柑橘類や酢、コショウや山椒、唐辛子などの香辛料など。味覚は慣れなので、塩分抜きの調味料も慣れれば美味しいものです。

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